ゲーム諸説

自分の中で諸説が飛び交っているゲームの話

AI戦闘はMP自動回復に限る

AI戦闘をはじめて経験したのはファミコン版のドラゴンクエスト4で、勇者以外のキャラクターが全員AIによって動くという、ドラクエ史上初の試みだった。

でもこのAIシステム、ドラクエの基本システムとの相性が非常に悪い。MPの回復がむずかしいのに、AIがポンポン使ってしまうものだから、ほうっておくとボス戦でMP切れを起こす。"じゅもんをつかうな"という作戦を指定すればMPは温存出来るけど、今度は必要な回復もしなくなる。"いのちをだいじに"だと回復はするけど、無駄な攻撃呪文も使う。

理想的な作戦

自分が操作するのと同じように呪文を使ってくれれば問題はない。

死ぬ前にHP回復して、でも満タンにはこだわらずに、ただ敵の攻撃1発で死なない状態にする。攻撃呪文を使って倒した方が回復よりMP少なくてすみそう時は攻撃呪文も使うけど、ダンジョンの残りの道のりを想定しつつ、ボス戦で半分ぐらいは残すようにして。

でもそうそう都合のいいAIは作れない。"じゅもんをせつやく"は名前はピッタリだけど、やって欲しいのとは全然違う行動だった。

AIの性能向上というのもあるけど、自分で操作していない時点で、何かしらの無駄や、想定外の行動が発生することは避けられない。

悩みのほとんどはMPがらみ

ドラクエ4のシステムでは、防御にはあまり意味がなく、道具もそんなに数を持てない。そうなると戦闘中に考えるのは、武器攻撃の"たたかう"を基本に、魔法を使う"じゅもん"をいつ使うのか? どの呪文を使うのか? ということで、自分の代わりにAIが判断するべきこともそれ。

ただ呪文を使うとMPを消費するし、消費したMPの回復手段がほぼない。MPを回復出来る道具は貴重すぎて使えない。街に帰って寝るのが一番だけど、それやってるといつまでたっても先に進まない。

MPが自動回復だと仲間に腹をたてずにすむ

ドラクエにかぎらず、意図しない、有意義でないMPの使いかたをされると、どうしても敵の回し者じゃないかという疑いが出てくる。

あまりそういう気分でゲームをしたいとは思わない。

AI戦闘そのものは好きだし、逐一指示するのもめんどくさい時はあるけど、MPが貴重な資源となっている状態で上手くAIに任せるのはむずかしい。

初代の聖剣伝説でも仲間が魔法をいくらでも撃ってくれたから、当たらないことはよくあるけど、それで損するということはないので、邪魔には感じなかった。シューティングゲームのオプション機みたいな感じ。2からは自分で操作したり協力プレイできるようになったけど、そのせいでMP制になってしまって、魔法は手動が基本になった。MP自動回復ならもっとAI任せで戦えたと思う。

FF12ガンビットシステムも完璧とはいえないけど、MPの回復手段が豊富で、単に歩くだけでも回復するから成り立ってる。あれがもし回復無しだったら、想定する戦闘回数にもよるけど、ガンビットに"たたかう"と、ポーションの使用ぐらいしかセットできない。1発のケアルの無駄撃ちも許せなくなるから。

自動回復にせずとも、MP回復アイテムを安く売るという方法もあるけど、所持数の上限に気をつけないと、使い放題状態になる。

それに予算と数に限りがあるアイテムというのは、結局はMPの上限を増やしたのと同じになる。ダンジョンが長くなったり戦闘回数が多ければいずれはなくなる。自動で回復するけど時間や手間がかかる仕組みとは考え方が違う。

別の解決策

AIと人間の結論が同じになるようにシステムを簡素にするか、逆に人間の頭じゃ最適な案が出せないぐらい複雑化すれば、AIが有利になってくる。

何の前提条件もなく、ただランダムに3つの手のどれかを出すジャンケンゲームというのは、ある意味では最強のAI。それだけだと勝つのも負けるのも難しいからゲームとして成り立たない、ただの運試しになるけど、ある程度選択肢を絞るとCPUの判断に無駄がなくなる。

囲碁でコンピューターがプロに勝てるようになったのは最近の話だけど、それは人間側に2000年ぐらい研究したデータがあって、超人的なプレイヤーが使いこなしているからで、今ゼロからスタートすればもっとCPU優位になる。

ドラクエ5以降の改良

モンスター用に、MPを使わない"特技"という仕組みが導入されて、MP等の資源を使わない選択肢が色々出てきた。

6からは人間も特技が使えるようになって、"じゅもんをつかうな"とAボタン連打には明白な違いが生まれた。ダンジョンの途中でMPを節約しながらでも、適切な特技を選んでいくという状況ができたので、AIに任せると操作がかなり楽になった。

AI自体の判断も効率化して、7では道中からボスまでほとんどAIだけで済むようになった。そんな風にただ見てるだけで楽しいのかと言えば、楽しかった。自分が判断して楽しい要素は転職とか装備とか色々あるから、こまごまとしたコマンドまで自分で入力する必要は感じなかった。移植版の7ではAIが変わっちゃったみたいだけど。

MP回復手段も徐々に増えていって、9で自動回復になったのは必然だろうと思う。

オンラインゲームでも

オンラインゲームでMPが自動回復になってるのは、色々理由はあるだろうけど、そうしないと魔法職が寂しすぎるんだろうと思う。

1人用ゲームでも"じゅもんをつかうな"状態の魔法使いは役立たずなのに、それがオンラインゲームの自キャラとなると全く面白くない。戦士はポーション飲みながら寝ずに戦えるのに、魔法使いはいちいち帰って寝ろ、もしくは杖で殴れと言われたら、みんな戦士をやるに決まっている。

かといって最大限戦った場合に合わせたMPを設定すると、それをボス戦などで集中して使われた場合にめちゃくちゃになる。結局は上限をそれほど上げず、適度な間隔で回復させるのが、連戦にもボス戦にも対応しやすい。